すごく好きだけど苦手なお客様

2020/09/02 在籍女性のリアル体験談 by.なーな

 

私のお仕事歴を語る上で絶対に外せないお客様、それが普通の佐藤さんである。
決してふざけてるわけではない。
ほんとだよ!信じてったら!!笑
今回は「色恋営業」についてちょっと触れています。
まぁ平たくいえば良いことも悪いこともあるよね。シビアな言い方をすれば、最も効率的なリピーターの取り方のようにも思う。

 

普通の佐藤さん、現る

佐藤さん、というお客様がいたとして。
私の場合、区別するためにあれこれ名付けていた。例えば○○(地名)の佐藤、なんて具合に。
ちなみに当時の私はサトウというリピーターさんが多かったので苦労した。大抵はコース時間とご一緒するホテル名で区別していたが、それでもごっちゃになることがしばしばあった。

 

とある佐藤さん。
新規のフリーで私がお伺いしたお客様。
穏やかな印象で、あまり風俗遊びをするタイプにはお見受けできなかったので率直に聞くと
「20年ぶりくらいに来た」とのこと。
45歳とご本人は仰っていたけれど、結構若く見える方で、やっぱりこの遊びが生活のサイクルにあるような感じではなかったかな。

私も彼も緊張していたからか、会話はおろかプレーも弾むこともなく終わりの時間を迎えた。
「お役に立てなくてほんとにごめんなさい」
とひたすら謝る私に佐藤さんは困った顔をされていた。きっとお会いすることはないだろう、せめてお店だけは使ってくれたら、と祈るような気持ちで、その日は帰ったのだった。

 

1週間後。

会員本指名サトウ様からお仕事をいただいてます
私(……どのサトウ?)
指定された部屋に向かうと、そこには1週間前にお会いした佐藤さんが。
「なんか…すごく気になったからまた来てしまった、ごめん」
「こういうのってどのくらいのペースで来るのが正解なんだろうね?」
「俺、気持ち悪くないかな、大丈夫かな」
と彼は照れたような顔をして言っていた。

 

お客様なんだからそんなこと気にしなくていいのに。
そんなお返事をしながらも(かわいいひとだな)と思ったのを今でも覚えている。その日から佐藤さんは隔週のペースで会いに来てくださった。
「普通の佐藤さん」と彼に名付けた私の、彼が来る日を楽しみに待つ日々が始まる。

 

全然普通じゃない件

そんな普通の佐藤さん、キスもするし前戯のようなこともするけれど、彼は一度も射精しなかった射精をしないお客様。これに私はひどく悩まされた。目に見えた成果がないのに、足繁く通ってくださる。そのことが苦しかったのかもしれない。だってお仕事した気にならないんだもん。

 

恐る恐る聞いたこともあった。

本番じゃないとだめなひとなの…?

聞いておいて勝手だが、もし「うん、そうだよ」なんて言われたらどうしようかとソワソワしていると「何を言ってるの!そんなのはしなくて良いんだよ!!」と一喝した後に「俺が緊張してるからなんだよ。だから、いいんだ」そう、言われた。

 

普通の佐藤さんがわたしの強力なリピーターさんになってから数ヵ月たった頃。「この佐藤さんてひとはどんな感じの人なの?」お店のスタッフから聞かれたことがあったので、私はありのままを話した。
「会ったらね、お菓子を食べながらくっついて座ってるの。」
「すごく優しいひとだよ。」
「あ、でもプレーはうまくいってるわけじゃないんだけどさ。」
「それでも会いに来てくれるんだよ。」
のろ気話をするひとってこんな気持ちなのかな、と思いながら彼のことを話した。

 

「…ふぅん」

そんないい人なの?よかったじゃん!!なんて反応を期待していたのだが、私の思いの丈には到底見合わない、つれない返事だった。(ちぇっ、つまんないの。)少しモヤモヤしたまま、また彼のお部屋に向かうことにした。

 

苦しいのは○○だから

そこにはいつもと様子が違ういつもの佐藤さんがいた。
佐藤さんはこう切り出す。

 

君と一緒にいる時間がとても楽しいから、別れた後に苦しくなる
楽しい夢から一瞬で醒めたような気持ちで、すごく寂しくなってしまう

そんなに苦しいのにまた来てくれたの?ごめんね、と私が慌てて返すと「好きだからこうやって会いにきてるんだよ」と真っすぐに、伝えられた。苛立っているようにも見えた。

 

なぜかわからないが、私は泣いてしまった。それは想いが通じた嬉しさ、などの類のものではない。人から気持ちをぶつけられるのはこんなにも苦しいのか。私はなんでイエスともノーとも言えないんだろう。好きと言ったら営業になるのだろうか、うそっぽく思われるのだろうか。
そんなことばかりが頭の中を巡った。

 

わたしも、すきだよ

本心かと聞かれれば本心であるし、本心ではないのかと聞かれれば本心ではない。けれど、その時の私にとって、そう返事をするのが精一杯だったように思う。

 

「ありがとう」
彼がどんな表情をしていたのか、怖くて見られなかった。
彼の声は、優しかった。

 

買いかぶりかもしれないが、きっと普通の佐藤さんは、私相手に純粋に恋愛をしてくれていたんだと思う。「お客様」ではなく「一人の男性」として会いに来ていたのかもしれない。そして、私も彼のことを嫌いではなかったんだろう。

 

しかし彼は「お客様」だ。「好きなお客様」であって「好きな男性」とはまた違う。
あれこれ悩んだ結果、「一緒にいるときは誰よりも彼のことを好きでいよう」と心に決めて彼との時間を過ごした。

 

そんな普通の佐藤さんは私がお店を離れるまで足繁く通ってくださった。最後にお会いした日、彼は笑いながら言っていた。

俺、なーなちゃんの前ではかっこいい男でいたかったからさ、結構頑張ったよ
よく我慢したと思わない?
かっこ悪くてよかったのに、とわたしは笑顔を作った。

 

わたしゃ無理だよ。

デリヘルは疑似恋愛を楽しむ場、らしい。そのことに異論はない。楽しめるならどんどんやればいいと私は思う。しかしあくまで「疑似」恋愛。わたしは図らずも色恋営業をしてしまったが、また同じことをできるかと聞かれたら答えはNOだ。お仕事をする中での「好き」という感情は、簡単なものではないと知ってしまったから。

 

疑似は疑似だから、楽しいのだ。

そう、思う。

 

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